<大御所の遺産探し>足跡を照らす(4)山住神社 (静岡新聞)
(2014/3/15 10:01)

浜松市天竜区水窪町にある標高1107メートルの山住峠。麓との気温差が約8度にも及ぶ峠に鎮座する山住神社の入り口に、神の使いとして一対のお犬様の像が立っている。3月初旬の小雪が舞う午後、神社の鎌倉秀雄宮司(85)が話してくれた。「お犬様は家康の命の大恩人だわい」

 30歳を超えて間もない家康が、数少ない負け戦を経験した1573年の三方ケ原の合戦。武田信玄の攻勢に防戦一方となった家康は山住神社まで逃げたとされる。敵軍が神社に迫るやいなや、空は雲に覆われ「うぉーうぉー」と山犬のほえる声が地鳴りのように響き渡った。肝をつぶした敵軍は退散し、家康は辛うじて難を逃れたという。鎌倉宮司は「お犬様のほえる声が家康の命を助けた。武田軍からしたら、敵の軍勢の足音にでも聞こえたんじゃないか」と思いをはせる。

 翌年、家康は神社を参拝し、後に刀を奉納したと伝えられる。同神社は浜松城の北東に当たる鬼門の守り神として、その後もあつく信仰された。「毎月1、17の両日、お犬様にお神酒やお洗米をささげる儀式は欠かさない」と鎌倉宮司。家康が抱いたこの地を守る神への感謝の念は、今なお大切に受け継がれている。

山住神社 国道152号沿いの水窪橋から県道389号を車で約30分。家康が戦勝祈願したことから、「戦の神」としても多くの信仰を集める。境内には、県の天然記念物に指定されている樹齢約1300年の大杉が立ち、御神木として県内外の参拝客を迎えている。麓には三方ケ原の合戦で武田軍の拠点となった山城「高根城」がある。


山住神社
静岡県浜松市天竜区水窪町山住230



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